学生でも障害年金の支給を受けられるのか
1 学生と障害年金
学生でも、障害年金の要件を満たしていれば支給を受けることができます。
障害年金は基本的に、要件を満たしている20歳以上の方であれば受給でき、働いているかどうかや学生であるかどうかは関係がありません。
では、どのような要件を満たしていれば、学生でも受給できるのか説明いたします。
2 受給要件
障害年金の受給要件の1つ目は、初診日要件で、初診日に国民年金に加入していることが必要です。
2つ目は、保険料納付要件で、一定の保険料を納付している必要があります。
3つめは障害状態要件で、障害認定日に一定の障害の程度にある必要があります。
3 20歳前傷病の場合
先天的な障害の場合や初診日が20歳より前であれば、国民年金は20歳から加入しますので、初診日要件・保険料納付要件については問われません。
通常は、初診日から1年6ヶ月経過した日が20歳の誕生日の前日より前であれば、20歳の誕生日の前日が、障害認定日となります。
障害認定日を過ぎますと、障害年金を申請することができます。
しかし、20歳前障害基礎年金には、所得制限があります。
所得の基準内の所得であれば、学生であっても障害年金を受給することができます。
4 20歳になった後に初診日がある場合
20歳になり、国民年金や厚生年金の加入期後に初診日がある場合、原則、初診日から1年半後が障害認定日となります。
きちんと障害年金の受給要件を満たしていれば、学生であっても障害年金を申請・受給することができます。
ただし、実際に国民年金や厚生年金を納めていない場合でも、きちんと手続きをしていれば、障害基礎年金を受け取れることもあります。
国民年金の学生納付特例制度により納付猶予をされていれば、実際に年金を納めていなくても、初診日に国民年金に加入していたものとして障害年金を受け取ることができます。
学生だからといってきちんと手続きをせずに、国民年金を未納にしていると、初診日に年金に加入していないことになり、障害年金を受け取ることができません。
学生納付特例制度は、所得が低い学生の間、年金を納めることを先送りできる制度です。
学生の納付特例を申請していれば年金受給資格期間に算入されますので、後に遡及して実際に年金を納めなければ老齢年金の金額には算入されませんが、万一の場合でも、年金受給資格に基づいて、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。
学生納付特例の手続は、きちんと毎年申請しておく必要があります。
参考リンク:日本年金機構・国民年金保険料の学生納付特例制度
5 障害年金の受給について
このように、学生であっても、障害年金を受給することができる場合があります。
子供の頃からの病気やケガの場合は、初診日の考え方が違っていたり、納付特例制度などの各制度があったりしますので、障害年金については、一度、専門家へご相談されることをおすすめいたします。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の決定から支給まで
- 障害年金の申請期間
- 障害年金の不支給通知が届いた場合
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 障害年金の配偶者加算
- 国民年金で障害年金2級が認定された場合の金額
- 障害年金の時効
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 学生でも障害年金の支給を受けられるのか
- 障害年金の種類
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金を受給すると扶養からはずれるのか
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金受給中に新たな障害が発生した場合の対応方法
- 統合失調症で障害年金が受け取れる場合
- 双極性障害で障害年金が受け取れる場合
- 発達障害で障害年金が受け取れる場合
- ダウン症で障害年金を請求する場合のポイント
- がんで障害年金が受け取れる場合
- 糖尿病で障害年金が受け取れる場合
- 聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
- 呼吸不全で障害年金を請求する場合のポイント
- 肝炎で障害年金を請求する場合のポイント
- クローン病で障害年金を請求する場合のポイント
- 額改定請求について
- 障害年金の更新
- 障害年金の永久認定
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
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