障害年金の不支給通知が届いた場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 伊藤美穂

最終更新日:2024年11月21日

1 保有個人情報開示請求

 障害年金の申請を行っても認定されずに障害年金の不支給通知が届くこともあります。

 障害年金の不支給通知が届いた場合には、どのようにすればよいのでしょうか。

 不支給通知には、不支給となった理由が簡単に記載されています。

不支給となった理由に納得できなければ、不服申立をすることができます。

 まず、不支給決定という結果に不服がある場合には、処分を知った日から3か月以内に審査請求を行うことができます。

 審査請求は社会保険審査官に対して行います。

 ただ、不支給通知の理由には詳細な情報が書かれているわけではありません。

 そこで、不支給理由がはっきりしないなど場合によっては、厚生労働省か年金事務所に保有個人情報開示請求を行い、認定調書などの開示を受けて等級認定の際の経緯を確認することもあります。

 個人情報開示をして資料を手に入れるためにはかなり時間がかかりますので、審査請求を行う可能性がある場合にはできるだけ早く個人情報開示請求を行う必要があります。

 また、審査請求と並行して、再度、事後重症での請求を行うこともあります。

2 審査請求

 障害年金の不支給理由に対して、反論が可能な場合には、処分を知った日から3か月以内に社会保険審査官に対し審査請求を行います。

 社会保険審査官は日本年金機構が出した不支給決定という決定結果が妥当であるかを審査します。

 審査請求で不支給決定を覆すために裏付けとなる資料を提出します。

 ただし、一度日本年金機構が出した決定を覆すのですから、客観的な資料集めて提出しなければ結果を変えることはできません。

 医師のカルテなどの客観的な資料をつけ、審査請求書に、争点を絞って、不服である箇所などが分かり易くして反論を作成しましょう。

 また、審査請求は通常は文書で行いますが、請求人が希望すれば口頭で意見陳述をすることもできます。

 不支給決定に対する審査請求の結果は、社会保険審査官より決定書が送られてきます。

3 再審査請求

 審査請求の結果、再度不支給決定を受けた場合、審査請求の結果に対する不服を申立てることができます。

 審査請求の結果に対する不服申立てを再審査請求といいます。

 再審査請求は、社会保険審査会に対して処分を知った日から2か月以内に行います。

 審査請求で認められる確率より、再審査請求で認められる確率の方が高いので、決定理由に納得ができなければ諦めずに再審査請求まで行います。

 再審査請求書を提出すると、審理は公開で行われ、本人も参加して意見を述べることができます。

 再審査請求の結果は、裁決書として数か月後に請求人のもとに届きます。

 再審査請求でも、棄却・却下の決定が出てしまい、不服を申立てたい場合は、一定の期限内であれば行政訴訟を起こすこともできます。

4 再申請

 すでに審査請求の期限を過ぎてしまっている場合などは、再申請をするという方法があります。

 障害年金の申請は一度きりしかできないというわけではありませんので、もう一度書類等を準備して申請するということが可能です。

 もっとも、最初の申請と全く同じ書類を提出したのでは、再び不支給となってしまう可能性が高いと考えられますので、一度専門家にご相談いただくことをおすすめします。

5 専門家にご相談ください

 このように、不支給決定通知が届いたとしても、不服を申し立てることはできますが、不支給となった決定を覆すためには時間や手間がかかります。

 障害年金申請の段階からきちんと専門家に相談して、まずは障害年金申請で不支給とならないようにしっかりと準備してください。

 また、それでも不支給通知が届いた場合には、きちんと準備をして審査請求を行うことをおすすめします。

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