額改定請求について

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 伊藤美穂

最終更新日:2024年06月14日

1 障害年金の額改定請求

 障害年金は、障害の程度によって等級が定められており、等級によって年金の額が変わります。

 そして、障害年金の受給権を持っている方の障害の程度が変わった時には、年金の額を変更する必要があります。

 障害年金には永久認定と有期認定があります。有期認定の場合には1年~5年が経過するごとに更新があり、医師が障害状態確認届という診断書を作成して、再度障害状態の審査を受けることになります。

 年金の額の変更は、原則として、更新の際に提出した診断書を審査した結果によって行われます。

 障害の程度が重くなった時には年金の額を増額し、障害の程度が軽くなった時には年金の額を減額したり支給停止をすることになります。

 しかし、更新までの間に障害の程度が重くなって年金の額を増額しなければならないことがあります。

 この場合には、額改定請求書を年金事務所に提出して額改定請求を行い、改めて障害の程度を審査してもらうことができます。

2 額改定請求をする際の要件

 障害年金を受ける権利を有している方は、原則として、①年金を受ける権利が発生した日から1年を経過した日または②障害の程度の診査を受けた日から1年を経過した日以降であれば、額改定請求をすることができます。

 なお、診査を受けた日とは、更新で減額改定された場合は診断書提出期限の属する月の3か月後の初日であり、増額改定された場合は診断書提出期限が属する月の初日です。

 また、障害の程度が増進したことが明らかである場合には、例外的に1年を経過しなくても額改定請求をできる場合が厚生労働省令に定められています。

 なお、3級の障害厚生年金を受けている方で、過去に支給事由を同じくする障害基礎年金の受給権を一度も有したことがない(すなわち、一度も2級になったことがない)方が65歳以上になったときは、額改定請求はできません。

 従って、症状が悪化した場合には速やかに額改定請求をしなければなりません。

3 額改定請求をする際の提出書類

 障害年金の額改定請求をする場合には、障害給付額改定請求書とともに診断書を提出します。

 額改定請求をする場合には、診断書の内容には十分な注意が必要ですので、必ず弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談してください。

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