ダウン症で障害年金を請求する場合のポイント

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 伊藤美穂

最終更新日:2024年02月07日

1 ダウン症と障害年金

 ダウン症の方も障害年金の要件を満たした場合には、障害年金の受給ができます。

対象となります。

 ダウン症は、先天性の遺伝子疾患で知的な発達に障害が生じたもので、障害年金の支給対象疾患です。

 ダウン症でも、その程度によって障害年金を受給できる可能性があります。

2 ダウン症の初診日

 ダウン症は先天性の知的障害に分類されます。先天性の疾患ですので、原則として出生した日が初診日になります。

そこで、ダウン症は、20歳前の傷病であり、初診日に年金に加入することはそもそもできませんので、年金の納付要件はありません。

 本来は、障害年金の受給のためには、初診日の前日に年金制度に加入しており、初診日にまでに一定期間年金を納付していないといけませんが、ダウン症の場合にはこのような要件はありません。

3 ダウン症で障害年金が認められる場合の等級

 ダウン症は、20歳前傷病ですので、障害基礎年金に該当しない場合には障害年金を受給することができません。

 障害基礎年金には、1級と2級があります。

 ダウン症で障害基礎年金の1級が認められるのは、知的障害により「食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの」に該当する必要があります。

 また、ダウン症で障害基礎年金の2級が認められるのは、知的障害があり、「食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの」に該当する必要があります。

 基準に該当するかどうかは、医師が診断書に記入した「日常生活能力の判定」において行う①適切な食事、②身辺の清潔保持、③金銭管理と買い物、④通院と服薬、⑤他人との意思伝達及び対人関係、⑥身辺の安全保持及び危機対応、⑦社会性の7つの項目についての4段階で評価及び、「日常生活能力の程度」の5段階のいずれに当てはまるのかにより判断されます。

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