聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
1 聴力の障害
聴覚の障害による障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)と語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定されます。
聴力の検査は、補聴器などの補助具をつけない状態で測定しますので、補聴器を使って日常生活を送っている方でも、障害年金を受け取れる場合があります。
感音性難聴などにより聴力レベルが悪化した場合には、聴覚の障害として障害年金を受け取れる場合があるのです。
また、聴覚の障害(特に内耳の傷病による障害)と平衡機能障害とは、併存することがありますので、この場合には、併合認定の取扱いが行われます。
2 聴力の障害の認定基準
聴力レベルは、オージオメータ(JIS 規格又はこれに準ずる標準オージオメータ)によって測定され、両耳それぞれの聴力で判定されます。
認定のための認定要綱により、検査の際の詳細な決まりが定められていて、例えば、聴覚の障害により障害年金を受給していない者に対し、1級に該当する診断を行う場合には、オージオメータによる検査に加えて、聴性脳幹反応検査等の他覚的聴力検査又はそれに相当する検査を実施すると定められています。
また、実施した検査方法及び検査所見などの結果を診断書に記載し、記録データのコピー等を提出(添付)しなければならず、それらをもとに総合的に認定されます。
また 聴力レベルのデシベル値は、話声域すなわち周波数 500、1000、2000 ヘルツにおける純音の各デシベル値を一定の数式により算出します。
障害年金の等級としては、両耳の聴力レベルが100デシベル以上のものは1級に該当します。
両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの、または、両耳の聴力レベルが80デシベル以上かつ最良語音明瞭度が30%以下のものが2級に該当します。
両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの、または、両耳の聴力レベルが50デシベル以上かつ最良語音明瞭度が50%以下のものが、3級に該当します。
1~3級の「両耳の聴力レベル」というのは、左耳と右耳のどちらも該当レベル以上である必要があり、片耳の症状の場合は、一耳の聴力レベルが80デシベル以上のものであれば、障害手当金の対象となるだけです。
3 身体障碍者手帳との比較
聴力の障害の場合は、一般的に、障害者手帳2級が障害年金1級相当、障害者手帳3級が障害年金2級相当となっています。
障害者手帳をお持ちの場合、障害年金の等級と照らし合わせてみて、障害年金を受け取れる可能性がある方は、是非弁護士法人心にご相談ください。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の決定から支給まで
- 障害年金の申請期間
- 障害年金の不支給通知が届いた場合
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 障害年金の配偶者加算
- 国民年金で障害年金2級が認定された場合の金額
- 障害年金の時効
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 学生でも障害年金の支給を受けられるのか
- 障害年金の種類
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金を受給すると扶養からはずれるのか
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金受給中に新たな障害が発生した場合の対応方法
- 統合失調症で障害年金が受け取れる場合
- 双極性障害で障害年金が受け取れる場合
- 発達障害で障害年金が受け取れる場合
- ダウン症で障害年金を請求する場合のポイント
- がんで障害年金が受け取れる場合
- 糖尿病で障害年金が受け取れる場合
- 聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
- 呼吸不全で障害年金を請求する場合のポイント
- 肝炎で障害年金を請求する場合のポイント
- クローン病で障害年金を請求する場合のポイント
- 額改定請求について
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