障害年金を受給することによるデメリット
1 障害年金を受給することによるデメリット
障害年金を受給するうえで、メリットは多くありますが、一定のデメリットもあります。
自分に当てはまるデメリットがないかどうかを、申請の前に、確認しておきましょう。
2 家族の扶養から外れることがある
障害年金を年間180万円以上受け取った場合や、障害年金と他の収入をあわせて年収180万円以上になる場合には、家族の扶養からはずれてしまいます。
家族の扶養から外れると、社会保険を切り替えて健康保険などに自分で加入しなければならないことになります。
働きながら障害年金を受け取っている方は、扶養から外れる際に社会保険などの切り替え手続きをきちんと取らなければなりません。
3 老齢年金への影響
障害年金を受給すると、2級以上の障害年金を受給すると国民年金は法定免除となり、保険料を納付する必要がなくなります。
しかし、法定免除の際にもその期間の2分の1を全額納付済みの期間等同様にみなすことにはなりますが、法定免除の期間中はあとの2分の1は年金保険料納付に反映されません。
そこで、保険料を全額納付した場合より、老齢年金が低額になる可能性があります。
障害状態が回復して更新の際に障害年金を受け取れなくなった場合には、老齢年金を受け取ることになりますが、受け取る際には支給金額が少なくなってしまいます。
法定免除をせずに全額納付をすれば減額しませんが、年金保険料納付をするか検討をする必要があります。
また、障害年金の受給権が発生すると老齢年金の繰下げができなくなるため、繰り下げによる増額ができなくなります。
老齢年金の繰り下げによるデメリットが発生する場合は限定的ですが、場合によっては年金事務所にいって試算してもらうほうがよいこともあります。
4 加給年金
一定の要件を満たしている老齢厚生年金や障害厚生年金の受給者に生計を維持している配偶者がいる場合には、配偶者に老齢厚生年金や障害厚生年金に配偶者の加給年金支給されなくなります。
配偶者が年金を受給していないことが加給年金の要件ですので、障害年金を受給することになると加給年金は受け取れません。
ただ、障害年金で受給される金額の方が、加給年金の金額よりもかなり多くなりますので、家計の全体からみるとデメリットとはいえないでしょう。
しかし、遡及して障害年金が認定された場合には、時効になっていない障害年金を受け取るかわりに、受け取った期間の加給年金を返還しなければなりませんので、注意が必要です。
5 併給調整
障害年金には、併給下場合の合計額としてはデメリットがないにしても、生活保護費や傷病手当金、労災給付など併給が調整されて個々の支給金額が減額されるものがあります。
合計金額が減額になることはありませんが、遡及認定されると後日返金しなければならなくなるため、注意が必要です。
6 死亡一時金・寡婦年金
障害年金を受給すると、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給したことがないことが要件になっている寡婦年金や死亡一時金がもらえなくなります。
例えば、夫が死亡するまでに障害基礎年金を受け取っている時期があった場合には、妻は寡婦年金を受け取ることができませんし、夫に生計を維持されていた遺族に支払われる死亡一時金も受け取ることができません。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金申請の必要書類
- 障害年金の決定から支給まで
- 障害年金の申請期間
- 障害年金の不支給通知が届いた場合
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 障害年金の配偶者加算
- 国民年金で障害年金2級が認定された場合の金額
- 障害年金の時効
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 学生でも障害年金の支給を受けられるのか
- 障害年金の種類
- 障害年金を受給することによるデメリット
- 障害年金を受給すると扶養からはずれるのか
- 障害年金と生活保護の関係
- 障害年金受給中に新たな障害が発生した場合の対応方法
- 統合失調症で障害年金が受け取れる場合
- 双極性障害で障害年金が受け取れる場合
- 発達障害で障害年金が受け取れる場合
- ダウン症で障害年金を請求する場合のポイント
- がんで障害年金が受け取れる場合
- 糖尿病で障害年金が受け取れる場合
- 聴力の障害で障害年金が受け取れる場合
- 呼吸不全で障害年金を請求する場合のポイント
- 肝炎で障害年金を請求する場合のポイント
- クローン病で障害年金を請求する場合のポイント
- 額改定請求について
- 障害年金の更新
- 障害年金の永久認定
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
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